転職をすれば年収は下がる。残念ながら、異業種への転職では、間違いなく下がることになります。
年収アップが望めるのは、「同業種のステップアップ」しかない。しかも、ヘッドハンティングか、求人募集がなくとも自分からのダイレクトアプローチに成功するか、あるいは転職エージェントによる斡旋が成功する場合です。
もし、異業種への転職で、年収アップの好条件なら、よくよく確認すべきです。
会社への貢献度が未知数の段階では、年収アップする方がおかしいと考えるべきです。目標未達の場合のペナルティが課せられていないか、そもそも、業績に応じた歩合給ではないか、等です。
筆者自身、転職5回で起業した経験を持っています。その経験も含めて、解説してまいります。
転職で年収は下がる!30代40代
普通に考えて、現在の日本では、同業種のステップアップしか、年収アップは望めない。
過去20年年間の大学新卒初任給がほとんど横ばいです。
また、ハローワークへの求人賃金情報をみれば、大学初任給を下回る情報もあります。
最近では、有名な話になってしまいましたが、日本はGDPが世界3位といっていますが、一人当たりGDPは26位であり、平均年収は450万です。
データからは、30歳、年収600万なんていう人は、めったにいないということになるのです。
ですので、会社員で転職すれば、年収が下がる事は明らかです。
30代40代では、転職すれば年収は下がります。
20代では、キャリアによっては多少の上昇は見込めるかもしれません。
残念ながら50代においては、転職自体が困難です。
年収アップの可能性があるのは、同業種へのステップアップしかありません。
ただし、年収は下がるが、代わりに手に入る幸せが大きい場合はあります。
家族との時間・自分の時間が増える幸せ。
ブラックな労働環境から、離れられる幸せ。
人間関係の問題も解決するかもしれない幸せ。
ただ、その幸せの代償として、一般的には、年収は下がる。
もしも、年収の下がることが、許容範囲を超えるのならば、後悔する可能性があります。
退職届を出す前に、よく調査をすることです。
転職して年収が下がる許容範囲は?|翌年の税金(住民税)にも注意が必要
残念ながら、今の日本は転職をすれば、年収が下がるのが、普通の社会なのです。
過去20年以上(バブル崩壊した後のレベルがずっと続いている)、給料レベルは、新卒も在職者も殆どアップしていないのです。
そのまま、勤続年数が例えば20年以上などとならない限り、殆ど変わらない年収状況でしょう。
ですので、ハローワークや求人募集で転職するようなケースの場合、転職すれば、年収が下がるのは、構造的にやむを得ないです。
では、転職で下がる年収の許容範囲は、どの位ですか?
一般的には、年収が下がる許容範囲は10%程と言われています。
20%ダウンは、現実的ではありません。
そして、この時には、会社員の税金といえば、所得税と住民税が大きな負担になってきます。
転職して年収が下がる場合には、この住民税という税金に注意をしておかないと、本当に後悔することになってします。
厄介なことに、住民税という税金は、前年の収入に対して計算されるようになっている。
もし、年収が下がったとしても、前年の年収に対して計算された税額を払わなければならない。
もしも年収が下がって払えない、という状況になった場合、市区町村の税務課にいって、相談をすることです。
残念ながら、「減額」にはならないが、「分納」についての対応はしてくれる可能性があります。
転職で年収が下がる!覚悟をしていたはずでも後悔!
ネット上には、「後悔」の声があふれてる。
もちろん、それでも「転職して本当に良かった」という声はあります。
年収が下がることと引き換えに、「やりがい」「人間関係」「精神的なもの」「時間的ゆとり」ナドガテには入ったことを公表しています。
逆に、「後悔」の声も止まりません。そして年収のダウン率が10%を超えるケースが多数あることも分かりました。
また、リクルートの調べによれば、実に1年目に44%の転職者が10%以上の年収ダウンを経験し、2年目には、41%の人が10%以上の年収ダウンをしているとのことです。
転職で年収が下がることは予測してたのに後悔
年収が下がることは、転職前に予測していたのに、後悔しているという人たちは何が理由なんでしょう。
- 年収が600万 → 400万にダウンした。
- 仕事環境は変わって改善したはずだが、年収ダウンによるストレスが想像してたよりも遙かに大きかった
- 前職のシステムが良すぎたせいか、今のシステムはアナログすぎてストレスたまる
- 評価とポジションがきちんとされるようになった気がするが、年収の評価が合っていないと感じる
- 仕事のやりがいが増えた。昇格の打診もあったが、その責任範囲の割に、年収は低い。
転職後の年収アップなら|期待される結果を出せなければ、次回評価では厳しいと覚悟が必要
もし期待された実力を示すことができないときは、かなりマズイです。
多くの会社が、数ヶ月ごとの「業務についての能力評価・業績評価」を行います。
そのタイミングで、入社時に約束された年収は、下がる可能性があります。
具体的には、職位が下がって、給料が下がるかもしれません。
あるいは、賞与の評価が下がるのかもしれません。
営業の場合は、売上に直結していますので、分かりやすいです。
具体的な数値で、貢献度を測れない職種の場合、あなたの発言や提案・計画の立案や実行が、前述した経済的効果に見合うだけの成果を上られたかどうかが、評価基準になるでしょう。
転職をすすめるはずの転職エージェントが転職辞退を進めることがある
転職エージェントとは、通常の転職サイトの他に、各企業からダイレクトに求人募集を受けている場合の紹介や、転職希望者からの条件に見合う企業を紹介などしてくれるシステムです。
エージェントは、転職希望者によっては、転職をしないで、現職に止まる方が良いと考えているようです。
- 本人の希望が、求人の条件と合っていない
- 本人のやりたい希望と、転職理由が一致していない
- 本人の希望は、現在の会社で達成(解決)できる
- 現在の会社の勤続期間が短すぎる
- 転職回数が多すぎるため、リスクがある
- 経験からの能力が蓄積されていない
- 転職理由が待遇面しかない
- 希望する条件は、どの会社でも解決できない
現実と見合っていない希望条件の人が多い感じがしますね。
転職で年収は下がる|やりがいがあれば後悔しないか
転職の市況は、年収条件に限れば、なかなか改善されません。
全体の数字がわかると納得せざるを得ないのですが、日本は個人ベースでは、なかなかの貧乏国です。
その環境下で、年収改善を目的に転職してもうまくいく可能性は見えてきません。
では、「やりがい」に、焦点を当てるとどうでしょう。
やりがいとは
改めて、やりがいとはなんでしょう。
意外に漠然としていますが、やりがいとは次の様なこととして考えられています。
- 本人と本人以外の人(社会=顧客や同僚・上司・部下など)との関係性で生まれるもの。
- 自分が仕事で成した事が、誰かのために役立った事、他の人からどう評価されたということ、感謝された喜び、チームに貢献できたという達成感など。
つまり非常に個人的なものなんです。その感覚は、共感や同調している様に見えて、実は違うのかもしれません。
全く同じ仕事内容であっても、周りにいる人間が変わり、評価や感謝や達成感を感じた時に、人は、収入が下がっても受け入れるのかもしれません。
日本人が個人レベルでは、世界的に結構貧乏である事がわかる|国民一人当たりGDPと生活費ランキング
バブル崩壊から20年以上経過したが、日本で働く人の賃金については、まる20年前から固定されたままの様に感じられます。
ですから、転職すればほとんどの場合で年収は下がるのです。日本は、国のGDPは、世界3位でも、個人レベルでは先進国で一番貧乏かもしれません。
2017年のIMFのデータでは、国民一人当たりのGDPランキングは、以下の通りです。
- ルクセンブルク 105,803 USドル
- スイス 80,591
- マカオ 77,451(地域)
- ノルウェー 74,941
- アイルランド 70,638
- アイスランド 70,332
- カタール 60,804
- アメリカ 59,501
- シンガポール 57,713
- デンマーク 56,444
- オーストラリア 55,707
- スウェーデン 53,218
- オランダ 48,346
- サンマリノ 47,406
- オーストリア 47,290
- 香港 46,109
- フィンランド 46,017
- カナダ 45,077
- ドイツ 44,550
- ベルギー 43,582
- ニュージーランド 41,593
- イスラエル 40,258
- フランス 39,869
- イギリス 39,735
- 日本 38,440
- アラブ首長国連邦 37,226
- イタリア 31,984
世界の主要先進国G7の中では、日本は6番目、最下位はイタリアです。
中国は、香港と台湾以外では、72位です。都市部と都市部以外の貧困さが著しいからです。
日本は、中間層(?)の人口が多いので、中国よりも多いが、世界的に見れば、先進国の中では貧乏という事です。
バブル崩壊後の基準で止まったままです。
生活コスト=物価が高い国ランキング
ビジネスメディア「CEOWORLD Magazine」が、生活費が高い国ランキングを発表しています。
算定の基準は、住宅、衣料品、交通機関、生活必需サービス、食料品、外食などを指数化し、ニューヨーク市の生活指数を100として比較した結果のランキングです。
- スイス
- ノルウェー
- アイスランド
- 日本
- デンマーク
- バハマ
- ルクセンブルク
- イスラエル
- シンガポール
- 韓国
- 香港
- バルバドス
- アイルランド
- フランス
- オランダ
- オーストラリア
- ニュージーランド
- ベルギー
- セーシャル共和国
- アメリカ
つまり、非常に大雑把に言えば、日本は、世界で25番目の収入なのに、物価は世界4位に高いという事です。
スイスは、世界一物価が高いが、一人当たりの収入は、日本の2倍以上あるという事なんです。
実際には、日本国内で都市部と田舎では大きな違いがあります。その代わり、都市部には、人口も集中していますし、一言では難しいですが、日本は、生活する上でお金がかかるが、収入は少ないということです。
ですので、転職で、年収をアップさせるには、なかなか難しいということなんです。
まとめ
転職をすれば、基本的には、年収は下がる。
しかしよくよく調べないと、年収が下がる範囲は、10%以上、20%以上、30%以上という事実があります。
転職後に、年収が大幅ダウンしてから、後悔しないために、よく調べることです。
また、やりがいに注目です。
転職で年収を上げるハードルは高そうです。
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