営業で実績を作っていくためには、お客様と信頼関係を構築することが重要です。
インターネット以前は、信頼関係を構築する方法として、「面談」が有効でした。
しかし、現在はどうかというと、状況は大きく変わっています。
顧客との関係性で、契約までの面談回数が、極端に減少しています。
ネットで、顧客は好きな時に、好きな情報を取ることができるようになりました。
電話も携帯電話が主流であり、電話に出たい時でなければ、出ないようになりました。
現代の営業が実績を上げようと考えるなら、今の時代に合う、信頼関係の構築する方法が重要なのです。
顧客との信頼関係を構築する
インターネットを、普段使いのツールとして使えるようになった現在、間違いなく、営業と顧客のタッチポイントの数は減少しています。
そういう状況の中では、営業が信頼関係を駆逐する方法として、メールや手紙(ハガキ)しか手段がなくなってきました。
その中で、他の人に知られないメールでのコミュニケーションが、重要になっているのです。
現代の営業は、メールでのコミュニケーションを作ることが、一般的であり主な方法なのです。
メールを生かして、どういうアプローチをしていけば、信頼関係を構築できるのかが、今の営業には、重要な課題になっています。
そうはいっても、電話には、やはり顧客の声から双方向に確認し、気持ちをすぐ感じ取ることができるメリットがあります。
顧客に確実に、アプローチするのには、メールではカバーしきれない要素を持っています。
顧客との信頼関係|やっとつながった電話
営業の電話が、顧客と繋がる機会は、減りました。
携帯電話で、接続しやすいはずなのに、つながる相手を選別するようになりました。
その結果、着信に気づいても、用事のない相手には応答しなくなりました。
もはや、コミュニケーションは、通話ではなく、テキストによるコミュニケーションに、変わりました。
電話を数回かけて、やっとつながった出会いは大事にして下さい。
すぐに決定できないお客さんに向かって、結論をせまるトークは厳禁です。
もし、うっかりと
「いつ頃決めますか」
「今は良い時期ですから、今決めた方が良いです」
などと口に出した途端に、「商談終了」となります。
相手が、結論を迫ると感じるようなトークはだめです。
結論を迫るトークは、絶対に、やめましょう。
(勿論初回の電話で長期検討の顧客だと分かったお客さんの2回目以降の電話の場合です。)
しかし、電話の場合では共感共有できる情報が非常に少ないことがハードルになります。
ですので、1回ごとの通話内容の記録が非常に重要です。
その記録が次の通話の材料になるからです。
成績が継続しない営業は、ここが雑です。
その結果、次回に電話したときに、話題がないので、「その後いかがですか?決断する話は進みますか?」と言わざるを得なくなります。
今は、短期客だけの商談で、成績を上げ続けていけるような世の中ではありません。
顧客との信頼関係の構築方法は変わりました。もはやアナログ営業では厳しい
インターネットが世の中を変えてしまったことに、気づいていない
アナログ営業では、成績を上げられなくなっているのです。
インターネットにより便利になったのは、営業だけではありません。
お客さんも便利になっている。
10年以上前であれば、ネット環境はありましたが、2019年の現在ほど整備されていませんでした。
お客さんは、まだ営業マンが持っている情報が必要な場面がありました。
今は、商品やサービスを探すのに営業マンの情報は、必要ありません。
ネットで検索すれば良いだけです。
そんな環境の中で、営業がお客さんにアプローチして、有効なのは
「情報」ではなく、
「人柄や共感・人間力」というものが、
お客さんにとっての差別化ポイントになります。
ですので、1通話ごとに記録を取り、通話の中から見つけた話材を元に、
単純に自分という人間との対話を楽しく思ってもらえることだけを考えて
アプローチして下さい。
超長期客には、商品を売り込んだり決断を迫るのは、絶対にダメです。
それは、信頼関係を構築する方法の真逆になってしまいます。
顧客との信頼関係の構築法|顧客から指名されることを目指す
人間性を感じて貰い、営業が営業トークを使わずに、
度々接しているとお客さんに「決定できるとき」が来たときに、
担当に指名で連絡が入ります。
中長期のお客さんと話すときは、営業のことは忘れて、雑談に徹することです。
難易度は低くはありません。
親しくない人を相手に少ない手がかりで雑談を繰り返すのですから、ハードルは高めです。
単純に商品を勧めるなんて言う簡単なレベルの営業スタイルは、10年前で終わりました。もはや通用しません。
通用するのは、短期検討客だけです。しかし、お客さんの周りに同業他社がひしめいています。
仮に契約を頂けたとしても、良い条件での契約は難しいです。
ですから、中長期客との信頼関係を毎日作り続ける営業スタイルが、今の時代には必要なのです。
顧客との信頼関係|リピート性のある商品も同じ
不動産でなくとも、リピートのある商品やサービスも同じです。
言ってしまうと大変失礼な話になりますが、味は二流でも、接客ホスピタリティが一流の店が、いつも満席なのは、これが理由です。
ただ料理が旨いだけの店なんて、世の中にたくさんあります。
それだけでは、生き残れません。
料理が一流で、お店の人の対話・接客ホスピタリティが一流なら、絶対繁盛します。
営業は情報や知識だけではなく、人柄・共感力・人間力で、お客さんと対話をして良い人だと感じて貰わないと生きていけません。
信頼関係の構築です。
一つ落とし穴があります。
別記事に書いてますが、明るくておしゃべりな営業は、しゃべり過ぎに注意です。
自分ではなく、相手が話してくれている状況でなければ、失敗です。
顧客との信頼関係の構築法|
顧客をフォローする内容でメールを定期的に送り続けることで、お客さんのそばにいることを伝える事です。
考え方の基本は、前述の電話と同じです。
しかし、ここでは、電話に出てくれないお客さんが相手です。
お客さんがどんな話題であれば、関心があるのか、は全く分からない状況なのです。
営業を実際に行っている人は、ご存知の通り、問い合わせがあったはずなのに、
電話には出ないし、メールの応答もないお客さん達ですから。
何を話すべきかどうかも全く分からない状況です。
顧客との信頼関係の構築法|基本は同じ
「私」という営業に対して、良い感情を持って貰いたい、良い印象を伝え、それを育成していく作業を定期的に継続します。
方法は次の通りです。
メールマガジンやステップアップメール・一斉メールを使います。
文中の相手の名前は個人名で、差出人の名前は営業担当の名前で、月に1~2度ペースでメールを送信します。話題は、そのお客さんとの共有点は、問合せをしてきた商品(サービス)に関連する周辺のことです。
あまりかけ離れた話題ではダメです。
そして、文章の始まりから最後まで、営業トーク(決断を勧める言葉)は、絶対に入れないということです。決断を勧める言葉とは、「その後いかがですか?」レベルであっても、相手が営業であればお客さんには営業トークにしか聞こえません。非常に注意が必要です。
以上のことを営業が行うか、事務やIT担当がいるのなら、その人が行っても良いです。
それを少なくとも1年以上継続します。
ですから、ステップアップメールの場合ならば、メール原稿は、せめて20本くらい原稿作成をする必要があります。筆者の会社では、6~7年継続しています。即効性はありませんが、見込み客が自動的に育成されていきます。
毎月必ず、お客さんから担当指名のメールや電話が入ります。
今はGメールのアドインで、開封通知のある仕組みもありますね。商品やサービスによっては、開封通知の後で電話をかければ、最適のタイミングで通話できるという方法もあります。
筆者の会社は不動産業ですので、商品の性格上、この仕組みは合わないため、取り入れてはいません。
顧客との信頼関係の構築法|手紙でフォローする
問合せ情報の中には、メールアドレスが無いものもあります。
メールアドレスのないお客さんで、電話にも出ないとなれば、手紙で信頼関係構築を行います。
これは、メールが手紙に置き換わるだけですのです。ただし、コストや手間はかかります。メールと同じように実行するかどうかは、営業マンや会社のコストに対する考えによって決めて下さい。
問題は、コストと手間です。
最低でも月に1度、1年以上という実行が難しいようであれば、やめた方が良いです。2~3ヶ月に1度くらいの発信頻度では、全く成果は出ません。
また、商品やサービスによっては、手紙自体をやめた方が良い場合もあります。問合せをしたことは、家族に内緒というケースもありますので。
顧客との信頼関係の構築法|ハガキでサポート
中長期客との信頼関係構築の方法の最後は、全てのアクションを「ハガキでサポート」する事です。
面談後にハガキでサポートしておくというのは、比較的古典的なやり方ですので、既に知っていると思います。筆者がおすすめするのは、全ての営業アクションについて、ハガキを書くことです。
ハガキでは、アクションのサポートが目的ですので、書くのは「何々して下さいまして有難うございます」という事だけです。例えば、「お忙しい中、電話のご対応下さいまして有難うございます。メールを送っても、中高年の一般の方は、毎日メールを見る習慣がありません。
ですので、「何々の件でメールをお送りしております。ご確認くださいますようお願いいたします。」となります。これだけの短文ですので、ハガキはそれしか書けないように、4~5行しかかけないように作成しまう方が良いです。
ここでも、営業トークは厳禁です。
まとめ
今買ったり、決断が出来る短期検討のお客さんは、問合せから間もなく、今日他社の中から、ある会社を選ぶように、どんどん進行していきます。但し、競合が厳しいので、仮に上手く契約になったとしても、契約条件は正規の利益が取れることがありません。
本日の記事で紹介しているのは、中長期のお客さんへの信頼関係を構築するためのアプローチです。このお客さんと、良い信頼関係が出来た後に、仕事の依頼を受ける、購入してもらえるときには、指名してもらえます。
また、他社競合が全くない場合もあります。契約条件はきちんと利益の取れた良い契約になります。今回の記事で紹介している方法は、面談する前段階の方法です。面談しないで、信頼関係を作るということは、電話にしても、メールや手紙にしましても、実は大事なのは、内容ではなく、頻度です。
月には1回ではダメなんです。しかし、週に2回も3回もあったのでは、クレームに発展するかもしれません。ですので、4つの方法を複合的に重ね合わせて、2週に1度は、いずれかの方法で、接している状態を作って下さい。
勿論、応答があった場合は、日に何度でも良くなっていきます。最低でも、定期的に月に2~3回は何らかの形で接触をしている事を最低でも1年、出来れば、2年は継続できるように、仕組み化することです。ネットを使い、デジタルツールを使い顧客との信頼関係を構築して下さい。
以上の信頼関係の構築方法は、人間の行動心理に基づいています。様々なものは、進化しています。今後はもっと進化するはずです。しかし、実は、人間の基本的な考え方は、数十年前から変わっていません。
50年以上前に書かれたトップ営業マンの方法の基本は今でも通じます。進化したのは、ツールと環境だけなんです。お客様とのコミュニケーションを取るために自分の見識を深めておくことも重要です。インプットを増やすことです。
関連記事一覧