営業マーケティング戦略の立案手順|売れ続けるために

営業マーケティング戦略

筆者の過去経験より、営業マーケティング戦略の立て方についてまとめました。

ここでは「不動産」を題材にしていますが、不動産を自分の扱う「商品名」に変えれば、全ての物販について応用可能なマーケティング戦略です。

マーケティングと営業を別々に考える人もいますが、実際には営業はマーケティングの一部です。

マーケティングの理解のない営業は、成績を上げるために苦労します。

ですので営業の人には、マーケティングを理解したことをお勧めします。

戦略とは、戦い方・取り組み方において、やることとやらないことを決めることです。

目次

営業マーケティング戦略を考える手順と必要な理由

営業マーケティング戦略とは、マーケティングを理解した上で、計画を立てて、営業のロスを減らして業績と利益を上げようとするものです。

管理責任者や営業部のリーダーに限らず、営業の人間であればマーケティングの理解をしておくべきです。

営業マーケティング戦略を考える手順

営業マーケティング戦略の立案手順のステップは次の通りです。

1.不動産の全体マーケットを営業の視点で確認する(マクロマーケット)

2.不動産のあるエリア(商品のある領域)のマーケットを営業視点で確認する(ミクロマーケット)

3.今回営業が販売する物件(商品)についての物件(商品)評価をする

4.その物件(商品)を評価するターゲットを想定する

5.販売物件(商品)の評価と想定ターゲットから、販売価格を決定する

6.ターゲットと商品から、広告訴求ポイントと広告展開を決定する

営業にマーケティングが必要な理由

基本的に、上記の考え方に則って、営業マーケティング戦略をつくる事です。

不動産のマーケティングを参考事例にしています。

しかし、飲食店経営や商品小売についても、成功に近づく基本的なマーケティングの考え方は同じです。

ですので応用することが、可能です。

不動産業に限らず、飲食店経営でも、マーケティングの考え方も必要であり、重要です。

「良い商品を作っていれば、わかる人が買ってくれる。それがだんだんと広まる」

この考え方だけでは、他社競合の中で、生き残ることは非常に困難です。

この考え方は、売り手側の誤解だからです。

良い商品や、おいしい料理を作っていれば、店をつぶれないはずですが、現実にはそうではありません。

料理が美味しいお店や良い商品は、世の中にはたくさんあります。

もちろん、良い商品・サービス作りの努力は、基本的に必要な事です。

しかし、ただ美味しいだけでは、ダメなのです。

顧客に認められる・求められる商品・サービスでなければ、その商品・サービスが売れ続けることは、ないのです。

ですので、顧客がどんな商品・サービスを求めているのかを、常に調べ続けるマーケティングが必要になるのです。

他にはない美味しい料理を提供できたとしても、隣にもっと美味しい料理を出す店が出来たら、昨日まで美味しいと言われた料理は、過去のものになってしまいます。

そして、味そのもの・商品性だけでは、必ず賞味期限が来て、飽きられてしまいます。

かならず、人を介したサービスもセットで、考える必要があります。

リピート性が高い商品・サービスであれば、なおのことです。

美味しい料理には、もっと美味しい料理が現れます。

人を介したサービス・接客・顧客の目に入る環境が、一流であれば、味が普通でも、お店の繁盛は続きます。

求められる商品・サービスのマーケティングに、人の接客サービスが、揃えば、鬼に金棒状態になります。

営業マーケティング戦略 1:不動産(商品)の全体マーケットを確認する(マクロ)

不動産は、リピート清野無い商品ですので、マーケティングに、絞った解説をいたします。

最初に、商品全体のマーケットを調査します。

世の中の現状(需要と供給のバランス)を知る

需要(買い手)と供給(売り手)のバランスを調べるのです。

先ずは基本的なマーケットを知ることから始まる。

買い手が多ければ、商品不足になり、商品価格は上昇します。

売り手が多ければ、供給過剰になります。

商品が店先に溢れ、商品価格は下落します。

もしもラーメン屋さんであれば、競合するマーケットは、飲食業全体となります。

状況によっては、飲食業以外の業種も、競合マーケットになる可能性がある。

買い手は当然消費者であり、そのバランスが重要なポイントになります。

営業マーケティング戦略の立て方の基本となる部分です。

もしも、買い手が多いマーケットで、価格が固定している商品の場合であれば、その商品は大ヒットするでしょう。

商品の製造が追いつかなくなるかもしれません。

その結果、類似商品が売れる可能性が増えます。

製造が追いつかなくなり、商品が欠品するかも知れません。

その時に、その商品を製造していたメーカーは、チャンスロスを起こしてしまいます。

ですから、マーケティング戦略が必要になります。

商品と関連するモノ|今何が売れてるのか

記憶に新しいところだと、ソニーが開発したウェラブルネックスピーカーSRS-WS1という首かけスピーカーが店頭で欠品を起こした事例があります。

そのタイミングで、後発で、商品販売をはじめたボーズやJBLの類似商品が売上を伸ばしました。

この時、ソニーはチャンスロスをしたということです。

ソニーが、需要を見誤ったということです。

マーケティング戦略の失敗です。

このような新しい商品では、確かにマーケティングが難しい判断が必要になります。

逆に供給過剰になってしまえば、メーカーは資金回収に転換し、値引が始まります。

その結果、商品価格は下落します。

低価格販売(価格競争)についてこられない会社やお店は潰れる可能性があります。

全体マーケットを知ることは、営業マーケティング戦略を立てる上で、非常に重要です。

営業マーケティング戦略 2:商品のあるエリア(商品のある領域)のマーケットを確認する(ミクロ)

次に、その商品のあるエリア(領域)マーケットを調べます。

不動産ならば、実際のエリア。

商品であれば、同じニーズがある領域です。

重要なマーケティングエリアです。

同じ領域の詳細を知る

例えば、不動産の場合、仮に「北海道札幌市」というマーケティングエリアとします。

もしも、地域特性で偏りがある場合、更に細分化して調査する必要があります。

例えば、「北海道札幌市〇〇区」という具合です。

この時には、他社の競合状況・商品の競合状況も合わせて調査します。

そして、全体マーケットと比べて、特別なエリア(領域)特性(ポジションを知っておくことも重要)があるのか・ないのかを調査します。

全体マーケットでは、買い手が強いのに、自分が営業する商品のエリアでは、売り手が多いというマーケットもあり得ます。

そんな不幸な状況にならないためにも、マーケティングエリアの調査は重要です。

前述のソニーのスピーカーが、誤ったのが、どれだけの需要があるのか、リサーチ不足だったということです。

マーケティング戦略の失敗です。

需要と供給の現状は?

また、もしも明らかに買い手に対して、お店の数が多いという買い手市場である場合、後発であったり、小規模店が価格競争に出て行くのは、無謀です。

その場合は、競合するマーケットを変えることで、ビジネスチャンスは生まれます。

マーケットを変えるというのは、場所を変えるという意味ではなく、戦う市場を変えるということです。

付加価値を持たせ、全く違うマーケットで勝負する戦略となります。

高品質・高価格・高級品ジャンルで販売するなどもその一つです。

例えば、ラーメン屋が多いエリアに出店しようとするならば、そのエリアでは他にはないラーメンでなければなりません。

その場合、極端に振り切った商品性を出さないと、元の競合比較が残ってしまい、高いだけの商品になってしまう懸念があります。

テストマーケティング

あるいは、他の店も真似をしてくる可能性があります。

また極端に振り切るということは、競合は無くなりますが、買い手がいるかどうかという問題があります。

その場合は、「このエリアでこういう商品性で売り出した場合、あなたはいくらなら買いますか」というテストマーケティングをして置くべきです。

そもそもそういう商品を評価する人はこのエリアにはいなかったという結果になる可能性もあります。

飲食店で多く見かける光景に、新しい店ができて1年も経たずに潰れてしまう、という事例があります。

それは、テストマーケティングをしていない為に、起きていることです。

それは、エリアか提供する商品が、ターゲットのニーズに合っていないために、起きることです。

事前に、多少お金はかかります。

しかし、アイディアだけで出店してしまって、大きな借金を抱えることを思えば、必要な経費だと思います。

テストマーケティングの方法は、いろいろあります。

不動産の場合は、今でもチラシを使います。

違う商品なら、ツイッターなどのSNSを使う方法もあると思います。

マーケティング戦略の重要な部分です。

営業マーケティング戦略 3:今回販売する物件(商品)についての物件評価をする

不動産の場合であれば、客観的に見てどういうプラス評価(強み)・マイナス評価(弱み)があるのかを確認します。

自分の商品特性を知る

そうして確認した強みや弱みから、エリアの中での営業する商品のポジショニングを明確にします。

どういう位置づけの物件であるのかを確認するのです。

その物件(商品)を語る上での、独自セールスポイント(一番際立っているポイント)があるのかどうか、それを評価する人は多いのか少ないのかを確認するのです。

際立つセールスポイントは

この特に、独自セールスポイントが明確であり、それを評価する人が多い物件ほど、売れやすいということになります。

新しいジャンルの商品の場合は、前述のテストマーケティングで、知ることができます。

その結果、ボリュームの見込みも立つでのであれば、販売価格を高め設定にすることも可能になります。

逆に、際立った独自セールスポイントが分かりくい場合、また評価する人が少数派である場合は、相場通りの価格設定か、そのレベルによっては、相場より低め設定にせざるを得ないことも起こりえます。

営業マーケティング戦略 4:商品エリアと物件(商品)を評価するターゲットを想定する

今回の対象エリアを評価し、物件の独自セールポイントを評価する人をターゲットとして、想定します。

ターゲットの想定には、年齢・家族構成・年収のほかに、どういう趣味や志向を持っているのかを、想定の上で絞り込みます。

ライフスタイルまで想定できると、行動範囲もわかるようになります。

想定ターゲット属性の趣味やライフスタイルを調査する方法は、ネットで調べ尽くすことと、自分の周り人にヒアリングしまくることと、自分自身がなりきって想像することです。

毎日の生活のルーチンや行動範囲が特定できると、後で考える広告方針に参考になります。

営業マーケティング戦略 5:販売物件(商品)評価と想定ターゲットから、販売価格を決定する

エリアのポジショニング評価と物件の評価、そして想定ターゲットから、販売価格の決定が可能になります。

分譲マンションであれば、全戸数の販売価格を設定します。

ラーメンであれば、商品の価格を決めることです。

もし、明確でわかりやすい独自セールスポイントを持っていて、他のラーメン屋と比べる商品ではないというポジションを取れるのであれば、価格もそういう設定にするのです。

価格を知るマーケティングは、テストマーケティングが一番、合理性があります。

営業マーケティング戦略 6:戦略5から広告訴求ポイントと広告展開を決定する

物件の独自セールスポイントが強いのか弱いのか、そしてそれを評価する想定ターゲットから、広告の訴求ポイントを決定します。

想定ターゲットに対しての広告展開の方針を決定する。

どのエリアに、どういう広告手段手法を使って、物件情報を伝達するのかを手段・手法・エリアなどを決定する。

現代は、ネットをみんなが気軽に使う時代になっています。

その結果、リアル店舗とバーチャル店舗は、差がなくなりました。

また、「とっても美味しい○○」となれば、隣町にすら出かけていく時代です。

それには、例えば、〇〇市に美味しいケーキがあると第三者の情報が拡散しなければなりません。

単純にお店のチラシやホームページ、またはツイッターで「美味しい店」と自己発信するだけでは広がりません。

お客さんが拡散してくれやすい仕掛けや工夫も必要な時代です。

そういう事も考えた広告展開を決定します。

まとめ

営業マーケティング戦略は、全体のマーケティングの営業にかかる一部分です。

営業が「物売り」である時代は終わっています。

実際の営業の場面では、商品によっては、顧客心理が大きく影響します。

不動産のように、高額商品で、専門知識・情報が必要なものは、その傾向が強いです。

前述のソニーのスピーカーのような商品の場合、テストマーケティングを行い、需要を見極めて、製造を強化すべきでした。

もしかすると、不十分なマーケティングで、販売したのは、競合他社の動きに、先んじる道を選択したのかも知れません。

 

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