営業マンが売れない原因の一つは、顧客の声を聞いていないからです。
商談・コミュニケーションの中で、会社と商品の説明ばかりしていませんか?
コミュニケーションの原点にあるヒアリングの「コツ」が、うまくいっていないからです。
顧客の声を聞かずに、契約がもらえるはずはありません。
今回の記事では、営業マンの必須スキルの一つであるヒアリングの「コツ」について解説します。
解説する私の営業経験は40年です。
ネット環境やツールが進化しても、人のコミュニケーション=顧客の声を聞くことは、営業の最重要スキルです。
営業が売れない原因は顧客の声を聞いていないから!
もし、あなたの営業成績が思わしくないのなら、また営業成績がスランプになっているのなら、あなたの営業スタイルが、顧客の声を聞くことを忘れてしまっているからです。
商品やサービスの話をするのに夢中になっていませんか。
顧客の声を聞いていますか?
顧客の声を聞く=ヒアリングができていない営業は、売れないです。
顧客の声を聞いて、思いに気付いて、提案をするのが営業の仕事です。
商品説明だけしているのは、販売員の仕事です。
ヒアリングの「コツ」がなくして、営業成績が安定的に、伸びていくことはないです。
ヒアリングができていない営業でも、顧客が買うマインドが高い時に商談できれば売れることがあります。
しかし、顧客が迷いや不安持っている時の声に、気づかなければ、売れません。
営業が売れていない時は、顧客の迷い・不安・関心とは、外れたことを繰り返しているから、売れないのです。
そのためには、顧客の声をヒアリングすることが、重要です。
営業マンが売れないとき
顧客には、様々なタイプの方がいます。
不安や迷い、あるいは関心あることを、明確に言葉にする顧客もいます。
しかし、顧客自身が、不安や迷いが明確に形になっていない場合もあります。
顧客がその状態の時に、発する声・言葉には、じっくりと聞いていると、矛盾が含まれていることがあります。
営業は、ヒアリングができていないと、顧客の明確になっていない考えや思いに気づくことができません。
説明一辺倒の営業では、どんなに素晴らしい商品でも、最初から欲しいと思っている顧客にしか売ることができません。
顧客の中にある、形を成していない、ぼんやりとした不安や迷いに、気づくことが売れない営業から抜け出す方法です。
営業が売れない時というのは、往々にして、自分都合で、商品の説明だけをしています。
顧客の思いに気づけない営業が売れ続けることは、ありません。
よくある営業が売れないケースでは、「ノー」と言わない顧客・不安や迷いを明確にしない顧客に対し、自分の商談は、うまくいっていると勘違いします。
「ノー」と言われないからです。
しかし、顧客は、不安や迷いが解決しない限り、契約書にサインすることはありません。
営業マンのヒアリングがないとただの押し売り。売れるわけがない
売れない営業ほど、よく喋ります。
ですから、お喋りな人は、そのままでは営業に向いていない可能性があります。
説明一辺倒で、顧客の気持ちを察することなく、喋りまくります。
まさに、「立て板に水のごとく」喋りまくります。
そして、喋りまくりスタイルの営業は、悩みます。
「話すべきこと、伝えるべきことは、話しているのに、なぜか売れない。」と悩みます。
そして、さらにトークを磨いて、資料を作って、喋りまくりが進化します。
さらに、売れなくなります。
その結果、「自分は営業に向いてないのかもしれない」と自信を無くしていきます。
根本的に、間違えています。
喋りすぎなのです。
自分が喋りすぎて、顧客の声を聞いていないのです。
喋りまくりスタイルの営業でも、買いたいと思っている顧客に、巡り合うと契約してもらえます。
しかし、何故買ってもらえたのか、わかりません。
分かるはずがないのです。
どんなニーズがあって、商品と合致したのか、わかっていませんから。
ですから、売れることはあっても、契約が継続していかないのです。
喋りまくりの押し売りスタイルでは、1年を通して、成績を上げ続けることは、できません。
あなたに心当たりがあるのなら、話しすぎずに、顧客の声を聞くスキル=ヒアリングのスキルを磨くべきです。
売れない営業から脱出するためにヒアリングが必要なのは?
当然、顧客の声を聞くと言っても、実際には、話好きの顧客でなければ、勝手に話し続けることはありません。
しかも、営業が聞きたいことは、どのような不安や迷いを持っているのか、についてです。
心を開くための雑談スキルは重要ですが、この記事では、聞きたいことを聞き出すヒアリングについて解説しています。
雑談スキルについては、別の記事で紹介します。
顧客から、聞きたいことを聞き出すには、ヒアリングのスキルが必要です。
再確認ですが、聞きたいことは、商品を買うことに対して、顧客が感じている不安や迷いです。
人が商品を購入しない理由は、必ずしも必要としていないからではありません。
商品を購入することに対しての、不安や迷いが解決しないからです。
逆に考えれば、買うことに対する不安や迷いがなければ、顧客は買うことに、大きく前進します。
営業のヒアリングのコツ|具体的にどうするのか
では、営業は、ヒアリングのコツをどう使えば、売れるようになるか。
ヒアリングのコツとは、
「聞く」ではなく「訊く」と「聴く」を使います。
そこを勘違いして、ヒアリングとは、何も話さず黙って、顧客が話すのを聞くことだと、勘違いする営業がいます。
信じられませんが、実在します。
ヒアリングとは、「訊くこと」「尋ねること」です。
小さな質問の積み重ねで、返ってくる顧客の言葉に、真剣に耳を傾けることです。
返ってくる顧客の声の中に、混じっている不安や迷い、そしてその原因を見つけるのです。
営業マンのヒアリングのコツ|顧客の話に夢中になること
わかりやすく言えば、顧客が話す内容に、夢中になって聞くことです。
「無我夢中」という言葉がありますが、そのレベルに近いくらいの感じで聞くのです。
それが「コツ」です。
ただし、目的を見失ってはいけません。
不安や迷い、そしてその原因となっていることを聞き出すのですから。
そのために、小さい質問をしなくてはなりません。
小さい質問は、「疑問」のようなイメージです。
その小さい質問=疑問を、顧客に発信して、どんなことを返してくるのかを、夢中になって聞いてください。
ただ、質問攻めにしないよう、注意してください。
必ず、コミュニケーションを意識することです。
それには、「観察力」を合体する必要があります。
観察力については、後述しますが、その前に一つ注意点があります。
無我夢中に近いレベルと言いました。
それは、顧客が話している間、話が脱線することもあります。
顧客が話してる間は、営業は頭の中に、次のステップは、どちらの方向へ進めようとか、どういう言葉を言ったら、商談が進むだろうとか、考えていけないのです。
その瞬間に、顧客の声の中に、隠れている、不安や迷いと原因を、聞き逃してしまいます。
営業のヒアリングのコツ|顧客が話してる間に商談を進めることを考えない
ヒアリングのフリをしていて、実はヒアリングをしていない営業がいます。
そういう営業は、確かに外形的には、「顧客の話を聞いている風」ですが、頭の中は
別のことでいっぱいになっています。
考えない事がコツです。
目の前の顧客に対して、「なんと言ったら、商談が進むだろう」と考えています。
話を聞くことに夢中になっていません。
ですから、顧客の話に、「共感」することもありません。
下手をすると、「次の営業の言葉」で、顧客は「話の腰を折られる」かもしれません。
そこに「嫌な感じ」が残ります。
商談を勧めたいなら、あえて商談のことを考えずに、顧客が発する話に没入することです。
営業マンのヒアリングで大事なコツ|顧客を観察すること
顧客が喋っている間に、必要な大事な「コツ」は、顧客を観察することです。
この時、営業マンは、「耳」だけではなく、身体中のセンサーを顧客の言葉と挙動に集中させるのです。
ここが大事なコツです。
顧客が発する言葉と挙動の中に、顧客の心の中(不安や迷い)を見せてくれる、重要なヒントが現れます。
そのヒントを見逃さないことです。
そのヒントが見えたら、つぎの「小さい質問」をするのです。
ここも大事な「コツ」です。
これは実は、人間の日常の中にある行動なのです。
ところが、営業という仕事を意識するあまりに、その自然な行動を忘れてしまうのが、売れない営業にありがちな姿なのです。
営業の原点は、コミュニケーションなのですから。
相手のことを知りたいと思うなら、いくつかの質問をして、口を挟まないで、話をたくさんしてもらう事が、大事なコツです。
顧客が発する言葉と挙動を、注意深く、観察してください。
営業のヒアリングで大事なコツ|顧客を「なぜ」を軸にして集中する
売れない営業にありがちなのは、顧客とどんな話をすればいいのか、分からない。
どんな質問をすれば、いいのか分からない、という事です。
そうでは無く、顧客が発した言葉や視線に、「なぜ」を集中して下さい。
それがコツです。
それは、営業としての「欲」を持って考えすぎなのです。
人は、自分が好きな物事や大事にしているモノや事に関して話すのが好きです。
それが、営業が進めたい商品と全く無縁のものであっても、顧客が好きなモノや事、大事にしていると思われるものや事に、対して、「なぜ」という思いを持って、小さい質問をするのが「コツ」です。
そして、小さい質問に対しての、顧客の言葉や挙動を注意深く観察しているうちに、顧客の考え方などがわかってきます。
商品についての会話はそのあとで十分です。
ここがコツです。
営業のヒアリングのコツ|顧客の中に「副産物(=信頼)」が生まれる
人間が持っている基本的な資質の中に、承認されたいという欲求があります。
穏やかな表情で、自分の話を聞いていくれている、という様子は相手に受け入れてもらっている、という印象を与えます。
受け入れてもらっている、ということは、承認されている、と感じているということです。
自分を認めてくれている、承認していくれている、という状態が続くと、相手の心に、好感が生まれます。(→非常に重要な副産物)
これもヒアリングのこつ。
人間には、自分を認めてくれている相手のことを好きになる、というプログラムがあります。
このプログラムを発動させると、営業の商談はスムーズに進んでいきます。
なぜなら、人間は、自分が好きな相手、気に入っている相手から、買いたいと感じるからです。
自分が好きになった相手から、勧められる物事に対して、断れないという気持ちが発動します。
こういう気持ちの発動をうまく使えると、営業は、楽に商談が進みます。
ヒアリングの成功の場面です。
営業のヒアリングのコツ|基本的な流れ
営業のヒアリングの具体的なやり方とコツは、以下の通り。
1)顧客の自宅や会社に訪問したのであれば、その室内に話の糸口となるヒントが散らばっています。
2)ヒントを発見したら、雑談としての小さい質問をしてみる。
3)顧客の言葉や挙動の反応を集中して観察する。
4)多くのケースでは、顧客は、好きな物事については、たくさん喋ります。
5)営業は、穏やかにうなづいている。(ヒアリングしながら、観察する)
6)営業は、時々「合いの手」のように、小さい質問や「同意のポーズ」を挟み込む。(ヒアリングのコツ)
7)すると、お客さんは、更に喜んで、良く喋る。お客さんは、気持ちが良い。
8)お客さんは、自分の話をよく聞いてくれている
9)(ヒアリングのコツ)営業を相手にして、好印象を持つ。
途中の無駄話にも、付き合うのがコツです。
あまりに話がそれて長引いてる場合は、少しだけ引き戻すキッカケを与えて下さい。
ただし、あせって決断を迫ると、水の泡になるので注意して下さい。
営業ヒアリングのコツ|まとめ
ヒアリングの「コツ」を使って営業をするという方法は、今ではコーチング関係の本にも書かれている手法です。
小さな質問を繰り返していくヒアリングをしていくと、相手はどんどん話してくれます。
そのうちうちに、顧客は自分が自分の言葉に説得されているような場面になっていきます。
営業の仕事の本質がヒアリングのコツにあるという事だと思います。
営業の仕事は、顧客が決断や決心をするときに、不安を取り除いてあげることです。
しかし、人間というものは厄介にできていますから、そう簡単に他人の言葉で説得されることはありません。
しかし、自分で話した中に、自分の不安を払拭できるようなことを見つけると納得してくれます。
それを言わせるのが営業の仕事であり、ヒアリングの力です。
あなたにも、心理学を応用したヒアリングのコツを使って、成績アップを狙って欲しいです。
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