不動産業も既に進化を続けている。
現在2019年秋から、3〜4年以内には、社内の営業社員は半減するだろう。
(不動産仲介会社を経営する立場から書いています。)
フルコミ営業やフリーランサーとして、業務を一部を請け負う人がもっと増える。
不動産業の仕事は20年以降 外注化・フリーランス化していく
新築のマンション業者は少し事情が違う。
しかし、それ以外の新築戸建・中古マンションと戸建に係わる業務については、これから、どんどんAI化・ロボット化(自動化)へと進んでいくと思われます。
一つの事例として、社員が10人ほどの中古物件の売買を主としている会社を参考に考える、と分かり易いです。
この会社には、一般的な経理事務はいない。
経理事務の仕事は、外注されているからです。
それ以外の業務を解体してみよう。
1)売却希望の査定し売主から売却依頼を受ける業務
2)物件情報をホームページに公開し、問合せを集める業務。
3)問合せ客に対応する、いわゆる営業職の業務。
4)問合せ客の要望に合わせて、物件を案内し、不安を払拭し、購入申込を受けるまでの営業業務。
5)購入のためのローン手続きのサポートをする業務。
6)売買契約〜決済引渡
大きく分けると、以上の業務が、いわゆる不動産仲介業の業務です。
外注化・AI化によって完全に無くなる業務
3番の業務は、現時点で既に一部では、外注化が進んでいる。
本来の営業の仕事である、見込み客を作る仕事です。
これが無くなる。
外注化・AI化によって半分以下の人員で十分な業務
この領域の業務が多い。
1番、2番、4番、5番、6番の業務です。
1)売却希望の査定は、AI化により、売主が自分で売却価格が分かるようになる。完成度が未だ低いが、PCやスマホのアプリで、既に出来るようになっている。
2)不動産業者である必要があるのは、各ポータルサイト(SUUMOやアットホーム)への情報公開のみです。例えば、物件写真は、売主から写真データを送ってもらえば良い。その協力具合によって、仲介料の割引も一般化する可能性がある。
4)営業のいわゆるクロージングの場面であり、ここは、未だ人間力の必要な場面ではあるが、変化していくことは、明白です。
5)この業務は、専任で1人いれば十分。月に10件ほどの案件には、対応可能です。
6)現状の法律では、個人で売ること(売買合意)は出来ても、買う方が住宅ローンを使う場合に、必要な書類を作成できる人が宅建取引士に限られています。人員数は、契約数にもよるが、極少人数で対応できる業務です。
ここまで進むのに必要な時間は、今後3年までは、無いかも知れない。
外注化(フリーランス化)・AI化ではカバーできない業務
これは、不動産仲介業においては、ほとんど無いということです。
ビジネスモデルを考えたり、販売方針を考えるなど、経営的な仕事以外は必要性がなくなる。
事務系の仕事に限らず、電話の応対や電話営業、そして営業までもが、外注できる仕事なのです。
しいてあげるとするなら、不動産の売買契約に関する宅建士が行う仕事は、外注化出来ない。
それ以外の業務のほとんどが、外注可能です。
不動産業のフリーランス化は進む|20年以降の正社員雇用は減少
不動産仲介業の未来は、会社に勤める人は、半減するでしょう。
逆に、フルコミ営業や、フリーランサーとして電話業務・メール業務を外注で受ける人の数が増えるだろう。
既に他業界の一部では、電話業務にAIが入ってきていると聞いている。
フリーランサーとしては、AIには、出来ない対応が出来ることが差別化になるのかも知れない。
営業の多くの仕事は、外注化とAI化により、現在の社員数が半分になっても、会社は同じ程度の売上を維持できるだろう。
人件費よりは、外注費の方が安いわけですから、収益としても良くなる可能性が高い。
昔ながらのやり方から、離れられずにいる会社や個人は、この先、かなり近い未来に淘汰される可能性が高いと思います。
個人の場合は、働く場所が無くなるということになるわけです。
そうなる前に、自分の働き方を変えなければ、厳しい。
電話営業やメール営業を、進化させて、フリーランサーとして働くやり方も有りでしょう。
関連記事一覧