最近、管理職になりたくない人の割合が増えてると聞いた。
しかも、どうも若い人だけではないらしい。
筆者の場合、年収アップ+キャリアアップを望んできた結果、管理職は経験してきた。
管理職になりたくない人の秘密を、深掘りして解説します。
管理職になりたくない人の割合が増えてる
厚生労働省の「労働経済白書」やリクルートのマネジメントソリューションが実施している「新人/若手の意識調査」の他、各種の調査データから、管理職になりたくない若手の割合が増えていることが分かった。
筆者が若手だった頃から、出世して管理職になりたい人と、管理職になりたくない人は、存在していたが、それが今は逆転しているようだ。
調査の対象がそれぞれのデータでの違いがあり、数字にも少しバラツキがある。
管理職になりたくない|女性の方が多い
しかし、ハッキリしたことは、現在非管理職の会社員の6割以上の人たちは、管理職になりたくないと考えていることだ。
その内でも、20代女性と30代女性は83~84%の女性たちが、管理職になりたくないと考えている。
管理職になりたくない女性の割合が、特に増えている。
管理職にはなりたくないが昇給したい矛盾
一方では、同調査の結果で、年功による昇給昇格を期待する人が4割いる。
更に、会社に終身雇用の保証を望んでいる新人社員は、7割以上にもなる。
ここに矛盾をはらんでいる。
つまり、管理職にはなりたくない。
しかし、昇給昇格はしたい。
出来れば、定年まで、同じ会社にいたいという矛盾です。
管理職になりたくない理由は
再び調査結果を複合的に調査し、管理職になりたくない理由を確かめると大きく分けて、以下の3通りです。
回答しているのは、新人以外の40代の中堅社員まで、含んでいる人たちです。
管理職になりたくない|管理職の仕事は自分には向いていない
・自分はそういうタイプではない
・他人を叱ることができない
・イヤなことを言わなければいけないのは大変
人との関係性を避けてる印象があります。
管理職になりたくない|割に合わない
・仕事量が増えて、残業が増えるのに、給料が減る
・仕事の責任だけ増える、給料はそんなに増えない
・大変そうだし、残業もつかない
割りに合わない仕事はしたくないという心理。
管理職になりたくない|今の管理職を見てそう思う
・プライベートの時間がなくなりそうと感じる
・人間関係の調整に時間を取られそうだから
・現場で働く方が良い
管理職にはメリットもある
しかし筆者は自分の経験から、管理職になりたくない人に、こんなメリットがあることを伝えたい。
メリットという言い方は、少し変な気もしますが、「仕事をしている感」が生まれてくるはずです。
管理職になる前までは、年収も低いし、働きがいも感じにくいし、やりがいも感じにくいです。自分の発言が評価されることも少ないし、自分はいてもいなくても良い存在ではないか、と考えてしまいます。
正確には、管理職になっても雇用される側であり、働かされている立場にあります。しかし自分の裁量でコントロール出来ることが増えます。
年収が増える
これは会社の給料のシステムの違い、もあるかもしれない。
しかし、筆者の経験では、間違いなく年収は、増えるはずです。
管理職になったら給料が減った、というのはおそらくは残業分のことなのか。
管理職になると、確かに残業手当は無くなる会社が、ほとんどだろう。
しかし基本給はアップしているはずなので、年収ベースでは増えるし、その後の昇給の幅も大きいのが一般的です。
管理職になりたくない人の年収が、管理職並みに増えていく仕組みは、一般的な組織には存在しない。
社会的ステータスが高まる
社会的ステータスとは責任や注目度とも言える。
これは、実際そうなのだが、メリットでもあるし、デメリットでもあるかもしれない。
対外的な露出が間違いなく増えます。
筆者の場合は、ストレス増加はありました。
ただ、反面、評価されているという認識が生まれる。
管理職になりたくないといっている人も、人から評価されたいという人間の根本的欲求(承認欲求)が、あるはずなのだが。
仕事の裁量は増える
仕事の裁量権は増えます。
それを仕事の責任というならば、そうかもしれない。
しかし、仕事の裁量が増えたことに伴い、プロジェクトの目標を達成していくというやりがいが増える。
チーム員をはるかに超える働きがいを感じる感覚になります。
管理職になりたくない人が感じている、”やりがい”や“働きがい”よりも、大分大きい事を得られる。
会社への発言権が得られる
これは、裁量が増えることにも関係してくる事です。
一人のスタッフとしての関係性よりも、はるかに高い発言権を得られる。
仕事に取り組んでる感は、一人のスタッフとして、感じてる何倍もの働きがいを感じます。
管理職になりたくない人は、自分の発言権がいつまでも小さいことを、ストレス無く受け入れられるのだろうか。
管理職になれない人|管理職になるには
管理職になりたくない人がいる反面、管理職になれない人もいます。
本来、管理職とは、チームのリーダーとなり、会社からビジネス上の決定権などの裁量を与えられ、チームがビジネス上の成功を収めるために、スタッフの差配も含め、マネジメントしていく仕事です。
管理職としての仕事の成功は、チームを使って、利益を出す事に成功することです。
つまり、利益を出す仕組みを作るのが管理職の仕事なのです。
その仕事には、当然一スタッフとは違う責任もありますが、喜びもあり、それに見合う収入や仕事のやりがいがあるものです。
プレイヤーとしては素晴らしいが、管理者としては残念な人は、確かにいます。
その人は、管理職にはなれない人です。
管理者としてのチャンスを与えられても、管理職としての仕事の役割を理解せず、一人のスタッフでいた頃と同じような仕事ぶりのリーダーもいます。
また、社員の行動を管理するのが管理職であるという間違えた認識をしていると、チームとしての成功=利益を出す組織の仕組みを作ることはできません。
このままでは、管理職になれない人というレッテルを貼られ、悪くすると、降格の可能性すらあります。
管理職になるには、管理職=マネージャー=マネジメントの仕事の意味をよく理解する必要があるのです。
管理職になっても、偉くなるわけではありません。
単に仕事の役割なのです。
ただし、責任も判断する仕事の裁量も多くなるだけです。
管理職になるには、管理職の仕事の役割の意味をよく理解することです。
まとめ
管理職になりたくない人は、責任が増えるのは嫌だが、年収は高くなりたい、いっているように感じる。
客観的に、考えれば、それは相当に難しいことです。
管理職に限らないが、世の中への貢献・影響が大きい人は、総じて、得られている収入が高い。
それは、責任と比例する関係に有るからです。
それは、居なくては困る存在だからです。
一般的に、医者の収入が高いのは、そういう理由です。
管理職になりたくない人は、今後の未来の収入が、今以上にならないことをトレードオフとしなければ成立しません。
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